Q.3カ月前から、右肩に違和感があり様子をみていましたが、最近、痛みが出て腕が上がらなくなってきました。 夜間、痛みのために目が覚めることがあるので睡眠不足で困っています。
A.いわゆる五十肩と思われます。
医学的には肩関節周囲炎と呼ばれています。肩関節周囲の組織が炎症を起こすこ とにより症状が出現する病気で、明らかな原因は不明ですが、一種の加齢、老化現象と考えられています。
経過としては、痛みの主体の急性期(疼痛期)から運動制限主体の慢性期(拘縮期)を経て除々に回復していきます。
初期は、肩を動かすと疼痛(運動時痛)があり、ひどくなるとじっとしていても痛んで(安静時痛)眠れないこともあります。この時期は無理な動作はせず、なるべく安静にします。
疼痛に対しては、鎮痛剤の投与、ステロイド剤の関節内注射をする場合もあります。少し痛みが治まってきたら、入浴や温湿布などで、温めると痛みが緩和されます。
疼痛は3〜6カ月で治まってきますが、だいたい拘縮が残り、洗顔や衣服の着脱に支障をきたすようになります。この時期(拘縮期)はリハビリが有効で、病院に通院して温熱療法などの物理療法、運動療法、マッサージを主体と したリハビリテーションを受けることをお勧めします。
また、ヒアルロン酸の関節内注射が効果的な場合もありま す。全経過として、早くて3〜6カ月、長い場合は2年くらいかかることもありますが、ほとんどの場合、後遺症などはな く完治します。